なげざっき

ついったーに書けない文字数まとめ。

サンマンセローはマウンテントレールの夢を見るか?

エインヘリヤルセローのエインヘリヤル修理の話です。


アイドリング不安定?そんなこともありましたね。
失火?もうすっかり直ったと思ってたよ。

…安心してほしい。セロンゴは期待を裏切らない。

ということで、現在までに起きている症状をまとめると以下の通り。

1.ステーターコイル側クランクケースカバーからオイル漏れ
いやー、実はこれについては思い当たる節が。
前回ステーターコイルを社外品にしたときに、クランクケースカバーからのオイルリークを防止するためにハーネスに被せてあるゴムパッキンのサイズが明らかに大きく、シリコンシーラントを打ったうえで無理矢理ねじ込んだんですよね。
十中八九これが原因でしょう。
おかげで、組み付けたばかりの新品ガスケットを泣きながら剥がす羽目に…
やっぱ社外品ってクソだな!(知ってた

2.アーシング基部のボルトからオイル漏れ
前々回、少しでも点火効率を上げるために、理論上ここなら間違いなく効果があると思われる場所にアーシングをしたんですが、そのボルトの基部からオイルが漏れるようになりました。
調べてみると、どうやらこのボルトはオイル流路のエア抜き用にシリンダーヘッドに設けられているドレンとのこと。
それにしてはガスケットワッシャが無いな?と思って外したボルトを今一度見返してみたら、ボルトと銅ワッシャが見事に固着して一体化していた罠…。
おとなしく純正のボルトとガスケットを購入し、スレッドにシリコンシーラントを打ってアーシングハーネスと共締めしました。
これで漏れてこないはず…?

3.油面がずれている疑惑
MJを上げたのに高回転で失火、でもプラグは白いという症状ではたと思い付いたのがこれ。
もしかして、油面が狂っておかしなことになっているのでは…?
しかし、PWK28は構造上フロートチャンバーにドレンがなく、実油面の調整が実にめんどくさい代物なのです。
そこで、今回は偶然見つけた秘密兵器を投入することに。
これで無限に油面調整ができるぞ!したくないけど…

Mk-VI サンマンセロー改・エインヘリヤルモデルのエインヘリヤル整備記録

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↑エインヘリヤル修理

なんですかこれは!?ついにセローも粗大ゴミ扱いか…
決してそういうわけではなく、今回のようなクランクケースカバーを片側だけ開ける場合、車体を反対側に傾けてからカバーを開けることで、エンジンオイルの流出を最小限に抑えることができます。

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↑このくらい

エンジンオイルが1Lしか入らないセローの場合、この程度の傾きでオイルの流出はほぼありませんでした。
…危ないのであんまりマネしないでね。

さて、今回用意したものは…

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↑懐に痛恨の一撃!純正ステーターコイル

安心と安全の純正品です。

ちなみに、ステーターコイルを交換するときは、高トルクがかかり舐めやすいステーターコイル固定ボルトも一緒に交換することをおススメします。
それにしても、セローはあちこちにプラスネジが使われていてヒヤヒヤしますね。
今回ももれなく舐めかけたので、音速で交換です。

ちなみに、前回交換したCaltricの社外ステーターコイルは、展示用として数百円で売り払われました。
Caltric信じてたのに!!ひどい!!Caltricのファンやめます!!!

…Caltricの名誉のために一応釈明しておくと、ステーターコイル自体の品質に問題はなかったんですよ。
発電電圧も純正品と誤差範囲で同等、コイルの巻き線が若干太くて樹脂被膜がないくらいで、モノとしては立派だったと思います。

しかし、ハーネスとゴムパッキンの品質が悪いのはいただけなかったですね。
取り付けに際してかなり試行錯誤する必要があったので、いわゆる「ポン付け」を期待している人は、国外の聞いたこともないメーカーの品に手を出すのは控えたほうがいいと思います。
高い授業料になったよ…

やっぱ純正品って最高だな!(知ってた

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↑舐めるようにオイル漏れがないか観察

ステーターコイルの組み付けが完了したら、クランクケースカバーを戻し(足りないネジは買い足した)、充分に暖気してオイル漏れがないか確認。

ちなみに、個人的にはこの手の合わせ面のガスケットには、張り付き防止とカバー装着時のガスケットのズレ防止のために2st用ギアオイルを塗布しています。
これは、組み付け不良でオイル漏れがあったとしても、2st用ギアオイルと4st用エンジンオイルでは色が違うため、判別を容易にするためでもあります。
(あくまで個人的な手法なので…)
最初は初期塗布したギアオイルがじわじわ漏れてきますが、根気強く拭き取りましょう。

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↑一番漏れてたココもドライでバッチリ

うん、どこからもオイルは漏れてないね。完璧。

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↑秘密兵器!OKOキャブレター用スケルトンチャンバー

今回の秘密兵器です。
前述したように、PWK28にはフロートチャンバーのドレンがなく、実油面を見るためには透明のカップ等で測るのが一般的みたいです。
そこでこれ!
台湾製のOKOという、いわゆるPWKのコピーキャブメーカーですが、なんとスケルトンのチャンバーがあり、これを装着することで油面調整を簡単に行うことができます。

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↑早速装着して油面調整

OKOキャブレターはPWKと部品レベルである程度の互換性があるので、特に加工しなくてもそのままつきます。
PWK28に装着する場合は、ネジが2本余るのと、余計なガソリン流路があるのでそこを塞いでやるだけ。

ただし、素材が素材なので、常用するのはできれば避けたほうがいいかも。
…とか言っていたら、OKOではこのスケルトンチャンバーが標準でついてるキャブが市販されているとのこと。なにそれこわい。

で、実油面はというと、フロートチャンバーの合わせ面より1.5mm下でした。
PWK28の指定油面がいまいちよくわからなかったので、今出ている症状と、一般的なキャブの油面を参考に、カンでフロートチャンバーの合わせ面と面一になるように油面を上げました。
…これで直るといいんだけどなあ。






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↑はいどーーん。

秘密兵器OKOで終わると思ったか?
ミタニモータースポーツ製 PWK用アルミエアースクリュー&アイドルスクリューセットを戦略的衝動買い。

…というのも、PWK28のアイドルスクリューは樹脂製で脆く、エアースクリューと合わせて2本のマイナスドライバーを持ち歩かなければならなかったので、結構手間だったんですよね。

交換後はグローブを付けたままでも容易に調整できます。
スクリュー先端の加工精度も純正と遜色ない精度だし、なにより頭に切り欠きがあるので、今スクリューがどの位置にあるのか一目瞭然なのもよいですね。
色は無難に黒を選択。



さあ、準備は整った!もはや我等の邪魔をするものはいない!盛大に試走しようじゃないか!
行くぞセロー!!






11月7日、北海道で統計開始以来初の記録的大雪。札幌では積雪23cm。






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-OWARI-
セロー先生の来世にご期待ください。